感謝する? 謝罪する?
- okag62
- 2020年7月19日
- 読了時間: 2分
以前、あるクラスで、「『すみません』って、実は Thank you ですよね」と学習者さんから言われてハッとしたことがある。
本当にその通りで、
「こんな珍しい物、わざわざすみません」とか
「遠いところを来てくださって、すみませんでしたね」
などの場合は、謝罪ではなくて、感謝を表している。
「すみません」というのは、一番有名な「謝罪」の意味以外にも、今述べた「感謝」もあり、それ以外の「あの、ちょっとすみません」など、相手の注意をこちらに向けさせたい時にも使われる。
そう思って見直してみると、そもそも「感謝」と「謝罪」に同じ字が使われているというのも、面白い。
この「謝」という字を調べてみると、いくつも違った意味を持っていて驚いたが、その中に「礼を述べる」と「あやまる」の両方の意味があった。元々は「言葉を放つ、意図を持って相手に告げる」という意味で作られた漢字だそうだ。なるほど、「射」というのは、「ロケットを発射する」とか、「光を反射する」とか、ある場所から外に向かって何かが発せられる動きのことだ。それに言葉を示すごんべん(言)が付いているから、「謝」という字になっている。
話を戻すと、「すみません」という言葉を使う時というのは、「感謝」だろうが「謝罪」だろうが、相手に対して「申し訳なく思う」という心の動きだというのが共通している。何かをしてくれた相手の使った時間や労力に対して、ありがたいと同時に、そんな時間をかけさせて悪かったな、という気持ちが含まれる。
よく日本人は謝りすぎのように言われるが、その奥には相手の状況や心情を思いやるというプロセスが含まれている気がする。そのプロセスを経て「感謝」に行くこともあるし、「謝罪」に行くこともある。どちらの場合でも、「すみません」という同じ言葉を使えるというのは、むしろ便利であるような気がする。
感謝(かんしゃ)gratitude
謝罪(しゃざい)apology
珍しい(めずらしい)rare, uncommon
違った(ちがった)different
述べる(のべる)to express, to state
意図(いと)intention
告げる(つげる)to tell
放つ(はなつ)to flash, to shoot, to release
発射(はっしゃ)firing, launch
反射(はんしゃ)reflection
経る(へる)to pass, to elapse
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